映画『シャイロックの子供たち』を鑑賞しました。
2006年に単行本が刊行された、作家・池井戸潤の経済小説を映画化したものです。
舞台はとある銀行の小さな支店、そこで現金が紛失するという事件が起こります。
その事件の裏には行員たちを含む様々な利害関係が絡み合っていて、物語は結構複雑な展開を見せます(ここで説明するのが難しいほどです)。
はじめは誰が主人公か分からない群像劇のような形ではじまりますが、次第に役者がそろっていく感じが見ていて面白かったです。
最終的には一応の大団円を迎えるのですが、それは見てのお楽しみ。
久々に社会派ミステリーに触れたので、ずっしりとした読後感ならぬ鑑賞後感が残りました。
たまにはいいですね。
それでは、皆さまも良き映画ライフを!
ではまた。
今回は、映画『海賊とよばれた男』を鑑賞しました。
本は第十回本屋大賞受賞作品で、その流れで私もタイトルだけは知っていました。
映画があると知ったのはいつごろだったでしょうか。
2024年に入り、図書館で本を何度か借りて読んでみましたが、なかなかかたい内容でエンタメとして楽しめない。
仕方なく今回、映画を見るに至ったという訳です。
主人公・国岡鐵蔵(くにおかてつぞう)のモデルとなったのは、出光興行創業者の出光佐三(いでみつさぞう)という人物です。
映画の中では、若い頃から油売りとしてならし、自分の店を持つようになった鐵蔵が、「あいつは海賊だ」と言われながらも販路を拡大していきます。
終戦を迎え、外地から店員が帰ってくる中で、売る油もなく、鐵蔵たちはラジオを修理する仕事をしたりして食いつなぎます。
GHQの思惑や、同業者からの締め出し、メジャー(アメリカ石油会社)との軋轢など、幾多の難題を乗り越え、鐵蔵たちは自分たちの船(石油タンカー)を持つに至ります。
順風満帆に思えた国岡商店ですが、ある時期からメジャーにより石油を卸してもらえなるという、倒産の危機を迎えます。
そこで店主の鐵蔵がひらめいたのが、イランの石油を卸してもらうというもの。
当時イランは英国に搾取されていたこともあり、この話はとんとん拍子に進みます。
鐵蔵たちは、自分たちの石油タンカーを、イランの地へ送り込みます。
しかし当時、英国はイランの石油を積んだ船を軍に攻撃させるなどの措置をとっており、この任務は危険なものとなります。
船長を含む乗組員たちは、イランで石油を積み込んだ後、マレーシア近辺で英国軍艦と対峙しますが、停船命令を無視してこれをやりすごします。
石油タンカーは、無事日本へ戻ってきて、国岡商店は難を逃れます。
ラストシーン、鐵蔵は家族に囲まれ、若かりし頃の夢を見ながら90歳を超える長い人生に幕を下ろします。
いや、岡田准一の演技が光りに光っていました。
鐵蔵60歳を演じる岡田氏。
特殊メイクもありましたが、声の出し方から仕草から、老齢の鐵蔵がそこにいるかのような、圧巻の演技でした。
私の大好きな、「実話をもとにした」映画だったのですが、たった2時間には収まりきらない実際の出光興行の成り立ちを思うと、胸にずんと来るものがあります。
実際には、ものすごい多くの従業員が、鐵蔵(出光氏)の元で汗を流し、日々それぞれの人の上にドラマがありながら、今の出光があるのだなと思います。
出光のみならず、世に存在する会社の数だけ、当然のように人間ドラマがあります。
私も、働きながら、会社の来し方行く末、自分の人生に思いを巡らせます。
これから自分にどんな働きが出来るのか。
また、していくのか、そんなことを考えさせられました。
出来ることなら、後の世まで脈々と人の記憶に残る、そんな仕事をしたいと思います。
こういう気づきがあるから、映画鑑賞はいいですね。
皆さまも、よい映画ライフを!
映画『ゴジラ-1.0』を鑑賞しました。
第96回アカデミー賞(2024年3月10日発表)で視覚効果賞を受賞し話題になったことから、いつか見てみようと思っており、今回の視聴に至りました。
ストーリーは、特攻隊に選ばれた敷島が小笠原諸島の小島の基地に故障を偽って不時着するところから始まります。
敷島が不時着したその夜、島をゴジラが襲います。
この時、島にいた日本兵のほとんどがゴジラに殺されてしまいます。
敷島は生き延びてしまったことに自責の念を抱き続けることになります。
東京へ戻ってきた敷島は、ひょんなことから典子という女性と、アキコという赤ん坊と一緒に暮らすようになります。
親子のような関係性がやっとはぐくまれてきたと思った矢先に、東京にゴジラが上陸します。
それは敷島がかつて小笠原諸島で見たゴジラが巨大に成長したものでした。
これ以上はネタバレになるので書けませんが、とにかくアカデミー賞で視覚効果賞を取っただけあって、迫力がすごかったです。
CGを駆使しているんですが、浮いた感じが全然せずに自然な描写でストレスなく鑑賞することができました。
人間ドラマも大筋がしっかりしているので、安心して負うことが出来ました。
戦闘機や巨大戦艦の活躍シーンがド迫力で、これは好きな人にはたまらないんだろうなという描写が多々ありました。
ゴジラのギミック、というのでしょうか、あれはなんだか機械ぽかったなぁと思います。
ともあれ、あっという間の一本でした。
最後のシーンに謎が一つだけ残されていましたが、あれは何なのでしょうか。
wikipediaにもほのめかすだけで答えらしいものは書いてありません(2024年8月5日現在)。
はて。
今日は映画『かがみの孤城』を鑑賞しました。
鑑賞するきっかけとなったのは、小説でした。
いつ頃からか、SNSや本屋の店先でハードカバーの宣伝を見かけるようになり、以来気になっていたんですよね。
今日はお休みということもありウォッチリストに入れていた今作をチョイス。
あらすじを読む限りなんだかファンタジーチックで苦手だなぁという先入観があったものの、見終えた感想としては、(ネタバレになるので書けませんが)私好みの仕掛けのある、見た後に心があたたかくなるような、そんな作品となっておりました。
余韻に浸りながらネットで調べてみると、なんと2017年の作品なんですね。
連載に至っては2013年からで、約10年前になります。
そんな昔の作品について「そういやSNSや本屋で話題になってたな」と思っていたんですね。
年をとると時間の感覚が短くなるというのは本当のようです。
ぎゃふん。
しかし、久々に心温まる創作物に触れることが出来て脳が喜んでいます。
最近、創作といえば自分の創作物のことばかり気にしていたので、いい気分転換になりました。